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アジア最大級の蒸留酒の品評会「TWSC2024」、表彰式を開催

アジア最大級の蒸留酒の品評会「TWSC2024」の表彰式

日本で唯一の蒸留酒の品評会『東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(以下:TWSC)』(運営:TWSC実行委員会、ウイスキー文化研究所)では、先月、2024年の特別賞を発表。2024年7月31日に明治記念館で表彰式を開催した。TWSC最大の注目企画であるBEST OF THE BESTが過去最多となる7部門で決定。さらに 『ベスト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー』『SDGs賞』『イノベーション賞』『ツーリズム賞』『ニューカマー賞』『ベスト・カテゴリー賞』『ベスト・コストパフォーマンス賞』など、50社を超える受賞企業が一堂に会して盛大に行われた。

2018年に始まったTWSCは今年で第6回目。日本発のウイスキーの品評会は、2020年の第2回から焼酎部門も加わり、蒸留酒の品評会としては日本で唯一でアジア最大規模の品評会として認知されている。TWSC実行委員長を務める土屋守氏(ウイスキー文化研究所代表)は、「2018年頃はウイスキー、ジンブームで沸いたが、2020年以降はコロナ禍に見舞われ、2022年はロシアのウクライナ侵攻、2023年にはイスラエルのガザ侵攻もあり、ウイスキー、スピリッツの世界は大きく動いており、特にアジア、ニューサウスにおける市場の変化が激しい。こうした中、日本の造り手が一堂に会する場としてTWSCをさらに有意義なものにしたい」としている。

TWSC目玉企画のひとつBEST OF THE BEST では、国や地域を超え、カテゴリーの中からナンバーワンを決める“無差別級”ともいえる特別賞。最高金賞と金賞からノミネートアイテムを選び、ブラインドによる二次審査を行い、最も点数が高かったアイテムが受賞する。今年は洋酒部門で5本、焼酎部門で2本がBEST OF THE BESTを獲得した。

本坊酒造の津貫蒸留所(鹿児島県南さつま市加世田津貫)でスピリッツ製造主任を務める加治佐 健太郎氏(左)。「Japanese GIN 和美人」が高い評価を受けた。

各部門に焦点を当てると、洋酒部門の最高金賞は26アイテム。小正醸造(鹿児島県日置市)の嘉之助蒸留所が出品した「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」も受賞した。

受賞した小正嘉之助蒸留所社長の小正芳嗣氏(左)

小正醸造は鹿児島県日置市日吉町にある焼酎会社だが、近年、ウイスキー製造にも取り組んでおり、日本三大砂丘の一つである吹上浜に面した嘉之助蒸留所を中心にウイスキーを製造。2024年4月には、「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」「嘉之助 HIOKI POT STILL」「シングルモルト嘉之助」の3種類を発表。「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」は、「嘉之助 HIOKI POT STILL」と「シングルモルト嘉之助」を独自の配合でブレンドしたジャパニーズウイスキーである。

嘉之助のウイスキーは、世界三大種類コンピティションの1つ「SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)2024」でも受賞した。SFWSCは、飲食とライフスタイルの第一人者として知られるアンソニー・ディアス・ブルー氏が2000年に創設。ブルー氏が買収した「サンフランシスコ国際ワインコンペティション(SFIWC)」の派生としてつくられた品評会。現在では世界で2番目、米国では最大規模のスピリッツコンペティションとなっている。

3種類のウイスキーを発表した小正醸造の小正兄弟。小正芳嗣氏(左)と弟で小正醸造社長の小正倫久氏(右)。焼酎部門の代表を弟に任せ、兄の芳嗣氏がウイスキー部門をけん引している。二人三脚で蒸留酒事業に挑んでいる(2024年4月の発表会より)
小正醸造の3種類のウイスキー(2024年4月の発表会より)

なお、小正醸造のウイスキーは期間限定でJALの機内でも販売される。

(文責:堀 純一郎=HORI PARTNERS代表)

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