ブログ

白鳥の湖(SWAN LAKE)by ウクライナ・グランド・バレエ

写真提供:いずれもPR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002345.000012949.html)

昨日(8/11)、初来日したウクライナ・グランド・バレエによる「白鳥の湖(SWAN LAKE)」を観に有楽町の東京国際フォーラムへ。ウクライナのバレエ団がロシアで作られた作品を演じ、しかも愛をテーマにした作品。戦争の早期終結を祈るばかりです。

新型コロナによるパンデミックと戦争によってバレエ団のダンサーたちは国外に脱出し、散り散りになっていたけれど、ウクライナと近隣諸国の優秀な若手ダンサーを集めて結成されたウクライナ・グランド・バレエ。舞台では禁断の恋人同士、実生活では夫婦であるハリコフ・オペラ・バレエのソロダンサー“イリナ・ハンダジェフスカー”と“アナトリー・ハンダジェフスキー”の2人が中心になって復活させたそうです。

「白鳥の湖」の演出に本物の“水”を取り入れ、映像や照明などを融合させて新たなクリエイティブ美学を結実させたのが、今回の「SWAN LAKE ON WATER」。ステージには本物の水が張られて、水しぶきが上がる中、東京フィルハーモニー交響楽団による演奏で、5000人を収容できるAホールでの実演は壮大で感動的でした。第4幕まであり、最後は、戦争のこと、人間愛、そして家族のことなどが頭をよぎり目頭が熱くなりました。

生まれてこのかた、幼稚園や小学校の学芸会では観たと思いますが、プロによるバレエを観たのは2回目。しかも、海外のプロによるバレエ鑑賞は初めてでした。セリフはなく音楽とともにダンスと表情だけで演じるバレエは、世界の誰もが感じ取ることができる感情の表現方法で、素晴らしい! 王子による花嫁選び。終わってからストーリを調べてようやく理解できた部分もありましたが。

調べてみると、バレエ(Ballet)の発祥はイタリアで、14~16世紀のルネサンス期に、貴族の宴会の余興や社交ダンスのようなものだったそうで、農民だった堀家とはほど遠い世界。一説によると、1533年にイタリアのメディチ家からフランス王室に嫁いだ女性がフランスに伝え、その後、バレエ作品として上演されパリのオペラ座が有名に。

白鳥の湖は、1877年にモスクワのボリショイ劇場が初演。ロシアのチャイコフスキーによる作曲で、くるみ割り人形、眠りの森の美女(「眠れる森の美女」とも)とならんでバレエ3部作と呼ばれている3大バレエ組曲。当時のバレエ音楽はバレエ専門の職人的な仕事でオペラや交響曲に比べて芸術的価値が低いとされていたそうですが、オペラや交響曲で成功を収めていたチャイコフスキーは以前からバレエ音楽に興味を持っていたことから作曲を引き受けたとの記録が残っているようです。

しかし、トゥシューズを履いてつま先立ちするバレエ。誰もがすぐには真似できませんね。3幕での黒鳥オディール(白鳥オデットを演じた主役の一人二役)の32回転(グラン・フェッテ)は見事でしたし、CGプロジェクションによって映し出された華やかな宮殿も臨場感がありました(*^^*)。

ウクライナのバレエ団がロシアで作られた作品を演じ、しかも愛をテーマにした作品。戦争の早期終結を祈るばかりです。

(文責:堀 純一郎=HORI PARTNERS代表)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です